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新製品 新電元工業

導通損失を55%低減した逆接続・逆流防止用の理想ダイオードICを開発 制御回路内蔵で外付け回路不要

新電元工業株式会社は、理想ダイオードIC V-DiodeTM 「MF2003SV」を開発、サンプル出荷を開始しました。本製品はPch MOSFETと逆接続保護・逆電流防止機能を一体化することで、電力損失を大幅に削減するとともに、外付け部品が不要となり、設計の簡素化や回路の小型化も実現します。
バッテリーやDC/DCコンバータを入力源とする車載用電子機器の逆接続保護・逆電流防止用途において、低消費電力化による放熱対策の簡略化が可能となり、機器の小型化に貢献します。
「MF2003SV」はサンプル出荷中、発売時期は2021年8月を予定しています。
※ V-DiodeTM:Virtual Diodeの略称

概要

近年、車載機器の電子制御技術の進化に伴い、電子機器を制御するECU(Electronic Control Unit)の車両搭載数も増加しており、メータ・ヘッドアップディスプレイやトランスミッション・車線維持制御・車間距離制御など、その用途も多岐にわたります。
これらECUはLi-ion・鉛といったバッテリーやDC/DCコンバータの出力を入力源としており、入力部の逆接続保護・逆電流防止用素子には従来からダイオードが使われてきました。しかし電子機器の機能統合や多機能化に伴う大電流化によりダイオードの損失や発熱の増加による放熱対策は機器の小型化の妨げとなっており、損失や発熱を抑えられる逆接続保護・逆電流防止用素子が求められています。
このような市場のニーズに応えるべく、Pch MOSFETと逆接続保護・逆電流防止機能を一体化した理想ダイオードIC V-DiodeTM「MF2003SV」を開発しました。
本製品は従来のダイオードに替えてPch MOSFETを使用することで、導通損失を55%*1削減、温度上昇を37%*1と大幅に低減し、放熱対策の簡略化が可能になるとともに、実装面積を75%*1低減し、機器の小型化に貢献します。
また、Pch MOSFET駆動回路を一体化し、外付け部品を不要とすることで回路設計の簡素化にも貢献します。
※1:当社従来品との比較

特長

  1. 損失・温度上昇の大幅低減 【図1】
    Pch MOSFETを使用することで、従来のダイオードと比べて導通損失を55%、温度上昇を37%削減しました。
  2. 機器の小型化に貢献する小型パッケージ 【図2】
    ウェッタブル・フランク対応のリードレスパッケージ、WSON8(4×4mm)を採用。低損失化による放熱対策の簡略化とともに実装面積を75%削減しました。
  3. 逆電流防止機能・逆接続保護機能内蔵 【図3】
    Pch MOSFETと逆電流防止機能・逆接続保護機能を1パッケージ化。外付け部品は不要です。
  4. 内蔵Pch MOSFET保護用アクティブクランプ機能
    内蔵Pch MOSFETのブレークダウン防止用としてΔVDS≒40Vでクランプする機能を搭載しています。

用途例

  • 各種車載ECU
    メータ・ヘッドアップディスプレイ・ナビゲーションシステム・オーディオ・USBモジュールなど
  • ORingを必要とする機器の入力・出力部

回路例

V-DiodeTM MF2003SV 製品仕様

暫定仕様
耐圧 42V
動作電圧 2.5~40V
平均電流(目安) 4A
暗電流 ≦3μA
内蔵Pch MOSFET Ron 57mΩ(typ.)
逆接続保護 内蔵
逆電流防止 内蔵
(25mVオフセットのコンパレータ)
IFSM 70A
Toff 500ns(typ.)
Tj 150℃(max.)

※MF2003SVの仕様は開発品のため、事前におことわりなく変更する場合があります。

外形寸法図(単位:mm)

端子番号 記号 機能
1~4 VIN 電源供給端子
5 GND グランド端子
6~8 OUT 出力端子